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(No285)  上方落語の会 TV鑑賞記
         

 平成24年2月28日(火)くらいに放送のあった上方落語の会の鑑賞メモ。



桂 春雨 「七段目」

 
 
春雨は春團治師匠門下の江戸っ子上方落語家。

 

 私ね、虚弱体質なんです。
 落語がええのんはね・・・・・客席がリラックスしてる。歌舞伎なんかとは全然違いますね。

 歌舞伎でいい席となると何万円もしますからね。そりゃあ、リラックスなんかしてられません。
 そこいくと今日は・・・・・・往復はがき?
(公開録画の申し込みで往復はがきを出すので)

 

 ネタは米團治や吉朝門下の噺家でいやほど聴いている「七段目」。

 吉弥やよね吉、吉坊また米團治演じるケレン味はなく、淡々と演じていた。



笑福亭 福笑 「時うどん」

 
 
福笑も、もうやんちゃな若手ではない。中堅どころの暴れ者でもない。ベテランの域だが、いわば前座ネタの「時うどん」を。

 時うどんゆうたら名作やからね。みんなも知ってるやろ?
「一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ・・・今、何どきや?」「九つで」「十、十一・・・」ってやつ・・・・・・・・。


(苦笑いして)しやけど、マクラでサゲまでゆうてまうってあんまりないね。めったにないスタイルや。サゲが分かってても笑わせる。(ぽん!と腕を叩き)そこが腕やがな(会場から拍手)
・・・・・そんなおおけなことゆうて大丈夫かいな。


 え~、昔は明け六つ、暮れ六つゆいましてな。今の晩8時頃が五つ。真夜中0時頃が九つと申しました。これを覚えといてもらうと、この噺が楽しめますので。
 廓帰りの若いもんが二人、真夜中、0時頃に歩いておりまして。
 


 二人合わせて15文しかないが、16文の屋台のうどんを食おうとする。

「うどんや~~そばやうどん~~」という「たてまえ」を注意するのは同じだが、他の噺家は「じゃがっしゃい!!」といきなり怒鳴りつけるパターンが多いが、「やかましいな」と小声で冷静にたしなめるのが珍しかった。
 「たてまえゆうて怒られたん初めてや」とうどん屋がぼやくのは他の者の噺と同じだが「いや、夜中やから」と理由を説明するとこも、えらく常識人。

 先に食う兄貴分の食いぶりがやたら派手。箸が顔の前を飛びまくる。袖を引っ張られ、箸で目を突こうとするなど攻撃もえぐい。

 勘定を終えて、種明かしをする兄貴分。

「・・・六つ、七つ、八つ。うどん屋、今、何どきや?九つ。ほんで、十、十一・・・・ゆうわけやがな」
「・・・・・・・・ああ、そうか。なるほどな。・・・・・・・・のっけから16文持ってたんや」
「違うわ!まだ、分からんか?
い、いや。違うがな。七つ、八つ、九つ・・・・・・・・・・あ、九つゆうてもた」
「お前かて間違えてるがな。つまり、うどん屋に1文払わせたんやな」
「笑うな!」

「ほな、わいもやってみるわ」
「お前らでけへん、でけへん」
「でけるわ!

六つ、七つ、八つ、うどん屋、今、何どきや?九つ?九つ!九つゆうたぞ!ほな、十、十一・・・・」
「あかんて!」


 あほが同じ時刻に来りゃあええのに、早(は)よから!早よから!(と、扇子を「九つ」(=午前0時)の位置から五つ(=午後8時)の位置へ動かし)出かけよった。

 

「おう、うどん屋。一杯、つけてくれるか」
「へえ」
「・・・・・・・・暗いなぁ。あれ、やらんかい。うどんや~~ゆうのん」
「ええ?ほな、やりまひょか?うど~~んやぁ そ~~ばぁや うぅ~~~」
「やかましわい!!」
「・・・・・・・・・・あんたがやれゆうたんや」


「お連れはんもつけまひょか、言わんかい」
「・・・・・・・・あんさん、お一人でっせ」
「ええがな。ゆんべとちっとも変わらんようにしぃたいねん。ゆうて。頼む。お願い」
「何ぞのまじないにするんでっか?ほな、言いまっせ。お連れはんもつけまひょか?」
「いらん!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「怒りな。こっち貸し。ズズズズズ!
(と、うどんをすすり込む)ペッチャ、ペッチャ、ペッチャ(指で歯ぐきをこする)
 何これ?・・・・・・・まずぅ。全部食えるかな?

 口ん中で団子できんねんわ。

 まあ、うどんは粉とだし半々やからな。お前んとこのうどんは、粉ぉは悪い。粉ぉは悪いで。しやけど、だしが・・・・・・・
(と、すする)
 うわ~~~!!!
(と苦しむ)何、入れたんや!!体に無害か?

 ぺっちゃ、ぺっちゃ、ぺっちゃ・・・・・・もちゃ、もちゃすんねん。ぺっちゃ、ぺっちゃ、ぺっちゃ・・・・・・この音、聞こえる?うどんて、普通、こんな音せえへんよ。
 歯ぁにへばりつくねん。口ゆすがな。
(と、だしをすすり)うわぁ~~~!!!(と、苦しむ)

 ほんま、何入れてん?ひ・み・つ?あほぉ!!!」


 派手な箸使い。「引っ張りな!」、「やいやいゆいな!」と昨夜の兄貴分の真似。

「大丈夫でっかぁ?

 人の心配する前に我がのうどんの心配せえ!バカモノ!!客、命がけやぞ。

・・・・・ほれ、見てみぃ。うどん屋、顔見て笑
(わろ)てる」
「・・・・・・いいえ、笑てません。どっちかゆうと怖がってます。おうち、誰と物ゆうたはりますねん?」
「そない、食いたいんかい!食いたきゃ食え!」
「ご病気ですか?」

「このうどんが8文か!」
「16文でっせ」
「うどん3本浮いとるだけや。ずっ!ずっ!ずっ!もうしまいや」


「食うたら終わりでんがな。鉢、こっちぃ貸しなはれ」
「うどん屋、お前も商売気ないなぁ。お代わりつけまひょか、ゆわんかい」
「・・・・・・・・けっこうです。もうお願い。帰って。今日は早仕舞いします」


 まさに怪演。




 どうも、お退屈さまでした。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。
 


 

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