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(No197) 京都国立博物館「狩野山楽・山雪」 鑑賞記
画像は、広く公開されている展覧会チラシ、博物館しおりなどから。
◆ 第1章 京狩野の祖、山楽
【1 永徳を受け継ぐ】
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3 重文 紅梅図襖 狩野山楽 筆
桃山時代(17世紀初)
大覚寺 |
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4 重文 牡丹図襖 狩野山楽 筆
桃山時代(17世紀初)
大覚寺
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7 重文 龍虎図屏風 狩野山楽 筆
桃山時代(17世紀初)
妙心寺 |
山楽の龍は凛々しい。虎は夫婦。奥さんの方は模様が豹みたいだが。
【2 山楽の創意】
12 重文 聖徳太子絵伝 狩野山楽 筆 元和9年(1623) 四天王寺 など。
【3 時代のなかで】
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1 狩野山楽像 木村香雪 筆
江戸末期
京都国立博物館 |
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10 重文 車争図屏風
狩野山楽 筆
慶長9年(1604)
東京国立博物館 |
この絵の中に徳川家康らしき人物が居ると会場の解説にあった。確か右から2面の所に三つ葉葵の紋の入った人物が居た。画題は源氏物語の中の一場面とのことなので「三つ葉葵」が登場すること自体本来はおかしいが、いろいろダブルミーニングがあるらしい。
◆ 第2章 山楽から山雪へ
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23 重文 朝顔図襖紙
狩野山雪・山楽 筆
寛永8年(1631)
天球院 |
確か会場の解説では、一応山雪の作品なのだが、過渡期というか、山楽が後見となっていろいろ支援したので、あえて共作のように表示したとあった。
◆ 第3章 山雪の造形実験 I 花鳥と走獣
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24 狩野山雪像 木村香雪 筆
江戸末期
京都国立博物館
画風を反映するかのように、山楽像に比べると線が細い感じ。学究肌だったらしい。 |
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38 松梟竹鶴図 狩野山雪 筆
江戸初期 17世紀前半
根津美術館 |
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39 猿猴図 狩野山雪 筆
江戸初期 17世紀前半
東京国立博物館
会場の解説で「山雪『カワイイ』系絵画の代表」とか何とか、そのような表現がなされていたと思う。 |
会場の解説文で、龍が上目使いの寄り目で情けない表情と表現されていた。これをもって山雪は、それまでの荒々しさを捨て技巧に走ったとか何とか評するのは違うと思う。
プロなんだから、龍の黒めの位置の描き方で睨み据えるようになるか、力が拡散されたようになるかぐらい分からない筈はない。山雪は、あえて情けない表情の、きりりと睨んでいない龍を選んだのだと思う。
◆ 第4章 山雪、海外からの里帰り作品と関連作
下掲の25と26は、明治初年まで妙心寺塔頭(たっちゅう)天祥院の襖絵として表裏をなしていたそうだ。その後、老梅図はアメリカ東部ニューヨークに。群仙図はアメリカ中部のミネアポリスに流出されていたのが今回里帰りして、会場でも元通り背中合わせで展示されるという憎い演出。
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25 老梅図襖(旧・天祥院客殿襖絵)
狩野山雪 筆
正保3年(1646)
メトロポリタン美術館 |
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26 群仙図襖(旧・天祥院客殿襖絵)
狩野山雪 筆
正保3年(1646)
ミネアポリス美術館 |
なお、群仙とはいわゆる八仙などのこと。簡単に大昔の私のHP記事で解説してるのは、ここ。
一番左端は誰だか不明と会場の解説にあった。それ以外は特徴的な持ち物などで大体判別できる。
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30 長恨歌図巻
狩野山雪 筆
江戸初期 17世紀前半
チェスター・ビーティー・ライブラリー 1
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同上 |
『長恨歌』は、玄宗皇帝と楊貴妃のラブストーリーを描いた白楽天(白居易)の長編漢詩。ほぼ全場面を展示しているとかで、会場では鑑賞するのに長い列が出来ていた。
一番上のアップは玄宗と楊貴妃。2番目は蜀の桟道を逃げているシーンだろうか。一番下は、そこを含む前後の場面。
兵士たちが楊貴妃を処刑せよと迫る。玄宗ももはや助ける術(すべ)もなく、黙認する。元詩でいくと、
六軍不發無奈何、宛轉蛾眉馬前死 - もはや軍は進もうとせず、如何ともしがたく、優美な眉の美女は天子の馬前で死したのであった。
ってあたりか。武骨な兵士たちに囲まれ膝まづいている楊貴妃の場が印象的だった。
◆ 第5章 山雪の造形実験 II 山水・名所・人物
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65 武家相撲絵巻
狩野山雪 筆
江戸初期 17世紀前半
(財)日本相撲協会相撲博物館 |
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チラシの解説では「漢のイメージが強かった山雪の作家像をくつがえす純日本的な画題」とある。
◆ 第6章 山雪と儒教・仏教
【儒教】
66 藤原惺窩閑居図 狩野山雪 筆、堀杏庵・林羅山 賛 寛永16年(1647) 根津美術館 など。
【仏教】
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70 観音天龍夜叉図
71 観音天大将軍身図
狩野山雪 筆
正保4年(1647)
東福寺
画像は、
美術散歩(とら)のブログ より |
◆ 第7章 山雪の造形実験 III 飾りと人の営み
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51 花卉流水図屏風
狩野山雪 筆
江戸初期 17世紀前半
東京国立博物館
画像は、
遊行七恵の日々是遊行 より
すごく現代的なセンスを感じる。 |
◆ 第8章 極みの山雪ワールド
確かに龍は相変わらず間抜け面だし、虎はちょこんと前足を揃えて「お嬢様」のようだ。
しかし、虎のお尻のあたりのヌメっとした質感を出した毛並みの描き込み方は凄い。まあ、荒々しさを捨てテクニックに走ったと評するのも無理はないのだが。
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80 盤谷図 狩野山雪 筆
江戸初期 17世紀前半
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82 重文 蘭亭曲水図屏風 狩野山雪 筆
江戸初期 17世紀前半
随心院 |
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83 重文 雪汀水禽図屏風 狩野山雪 筆
江戸初期 17世紀前半 |
特に右双はチラシの表紙にも扱われている。
お疲れさまでした。
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